VUメーター
2023/12更新
仕様概要

1.外観

◆改造前のSWRはこちらを参照。
◆各部の機能説明はこちらを参照。

2.VUメーター機能
正規のVUメータ機能では無く、 線形レベルメータ機能ですが、以下の説明ではVUメーターと記載しています。
VUメーターの詳しい解説はこちらのサイトを参照すると良いでしょう。
3.メータードライバー
1)ゲインは6db 〜 17db(2倍〜7倍)。
2)10Hz〜20kHzまでフラットな両波整流機能。
3)ピーク・チャージ機能。
4)針の戻り遅延時間の可変機能。(10ms〜1010ms)

・OPアンプ:NJM4565DD 定番のオーディオ用アンプ。

4.筐体、メーター
不要になった手持ちのSWR計を改造する。 SWR計とはこの様な機能です。
このメーターの針の振れ動作は緩やかで規格の遅延300msよりもやや長い。
5.信号の繋ぎ先
1)パソコンのLINE出力端子(PHONE出力端子)
2)オーディオインターフェースのLINE出力端子。
3)オーディオ変換アダプターのLINE出力端子。
4)オーディオ・コンポのLINE出力端子。
5)オーディオ・メインアンプのスピーカー端子も可能。


パソコン音響構成
下図はオーディオ変換アダプターを使った構成の一例ですが、
パソコンにPHONE出力端子が付いていれば、オーディオ変換アダプターは不要です。(ノートPCでは無いのが殆ど)


VUメーターのゲイン調整
1kHz、0dbの正弦波信号を出力してVUメーターの針が0dbの位置になる様にゲインを設定するが、 テスト・トーンをダウンロードして、これをメディアプレーヤーで再生すると簡単に出来ます。

【手順】
以下の手順でVUメーターのゲインを設定するが、要は1KHz、0dbの正弦波音源を出力してVUメーターの針が0db表示になる様にゲイン設定を行う。

1)スピーカー本体のの音量調整VRを最小(無音)に設定する。
2)VUメーター本体のゲインVRを最小に設定する。
3)パソコンのスピーカー出力音量調整を50%位に設定する。

4)ダウンロードした『 1kHz[0db].wav 』を再生する。
5)スピ−カー本体の音量を適度に上げて『1kHzのピー』と言う音が出ている事を確認する。
6)VUメーターの針が「0db」の位置になる様にパソコンのスピーカー出力音量を調整する。

以上の設定後はゲイン変更はしません。
そして、CD再生やYouTube等の音量は0db以下の音量なので、信号源に対応するdb表示ならば VUメーターは最小db〜0dbの範囲の振れ幅であり、 0db以上には振れません。 その一例がこの音量データ で、0db以下である事が分かります。

尚、上記0db調整の際に、以下のフリーソフト(VU/RMS/PeakLevel)を起動して置くと、 これも0db表示になります。



VUメーターの振れ幅検証ツール
パソコンでVUメーターを表示するフリーソフト(VU/RMS/PeakLevel) は音源に対応するdb表なので、このVUメーターの振れと比較してみましたが、このVUメーターはやや振れが大きい様に思います。

各種設定出来るが表示は「VU(db)」でdb表示を選択する。

このフリーソフトVUメーターは、どれ程正規VUメーター仕様に準拠しているのかが不明ですが、 正規のVUメーターを持って無いので、何が正解なのかが分かりません。



VUメーターの振れ確認
音の強弱が大きい演奏をVUメーターの振れで確認ですが、同時に安価な市販品のVUメーターも振らしてます。
遅延調整VRは中央位の位置にしてるので、戻り遅延は時定数で510ms=10uF×51KΩです。
また、オシロスコープで波形も同時に表示してますが、以下の印加波形です。

ピーク・チャージした平滑で、非常に短い音も針が振れる様にしたメーター・ドライバー(回路)にしてありますが、 それでもフリーソフトのVUメーターの方が針の振れが大きいです。

尚、オシロスコープの赤線で記載したレベルは1vで、この1v時にVUメーターが0db表示する様にしてます。
つまり、このメーター・ドライバーは0db/1v表示の設定にしてます。
例えば、この音量データの 0dbの音量はオシロスコープの1vの波形表示になります。

以下の動画は3つ動画と合成していますが、針の動きと音が若干ずれてます。
  

1)【リモート共演】コーヒールンバ : YouTube
2)コーヒールンバ(ホセ・マンソ・ペローニ)パコ・デ・ルシア版 : YouTube
3)アルパ コーヒールンバ 河瀬歩佳 : YouTube
4)ギターラ・アズール「セニョリータ」 : YouTube
5)ギターラ・アズール「三つの涙」 : YouTube
6)ブーメの恋人
7)Guitarra Azul - Oasis : YouTube
8)Me Siento de Aqui - LIVE cover version : YouTube
9)津軽じょんがら節 曲弾き掛け合い : YouTube
10)八重〜会津の花一輪〜 ♪島津亜矢さん : YouTube

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11)Love Is Love/Culture Club : YouTube

Love Is Love はYouTube動画のVUメーターと比較ですが、 これはスタジオでレコーディングに使っているVUメーター「NISHIZAWA R-65」だそうです。
この「NISHIZAWA R-65」の振れは音量データの波形 に対してはやや大き目な感がします。

また、このLove Is Loveの動画のみ、改造VUメーターの遅延設定は最大(時定数で1.01sec)にして緩やかな振れにする事で似たような振れに近づけましたが、 プロが使っているVUメーターは、こんなに緩やかな振れなのでしょうか?。



オーディオ・コンポの構成
ONKYO CR-N755
曲名は日本語表示して、LINE出力もあるコスパの良いコンポです。
最近の安価なコンポにはLINE出力が付いてないので残念ですね。

下図の様にケーブルで繋ぐだけの構成なのでシンプルです。
ONKYOのCR-N755はLINE出力端子が付いているので、この出力でVUメーターを振らせますが、LINE出力端子の信号はスピーカーの音量に依存しないのがメリットです。

先ず、LINE出力仕様は2v(rms)なので減衰スイッチを減衰側に切り替えます。

次に、上記でダウンロードしたテスト・トーンの『 1kHz[0db].wav 』をCDに焼き、 これを再生してVUメーターの針が0db表示になる様に本装置のゲインVRを調整しますが、 ゲインVRの目盛りは30付近になります。

この後は音楽CDを再生するのみですが、その再生したCDの録音レベルをこのVUメーターで概ね知る事が出来ます。



スピーカー端子に接続する構成
パナソニック ミニコンポ SC-PMX90-S
FM/AM 2バンド Bluetooth対応 ハイレゾ音源対応。

最近の安価なミニコンポにはLINE出力端子が無いので、この場合は嫌でもこの構成になります。
規格仕様のVUメーターはこの構成で、+4dbm(1.288v)時に0db表示をするが、業界ではこの限りでは無い様です。

業界の理屈は置いといて、CDに焼いたテスト・トーンの『 1kHz[0db].wav 』を再生して、スピーカー端子をACテスターで測定して1.288v(rms)の音量にすると、 かなり煩いです。一般家庭の部屋では騒音レベルです。ご近所迷惑です。

市販品の音楽CDは0db以下の音量なので、このテトス・トーンよりも小さい音量ですが、 テスト・トーンを0.548v(rms)位の音量に調整した後に音楽CDを再生すると程良い音量です。
つまり、を0.548v(rms)/0dbの音量が程よい音量です。

0.548v(rms)時は本体の減衰スイッチOFFで、VUメーター本体のゲイン調整をして0db表示に出来ますが、ACテスター等を使わずに好みの音量にして、 VUメーター本体のゲイン調整をするのも良いでしょう。


 
回路概要説明
ネットで紹介されているのを参考にした回路であるが、詳しい動作解説はネットで検索して、そちらを見て下さい。

ここでは簡単に補足事項を説明する。

1.仮想GND電源回路

非力ではあるが仮想GND方式の2電源にする事で、VUメータードライブ回路には汎用OPアンプが使用出来る様にした。

仮想GNDのためのレールスプリッタ専用のICで TLE2426があるが、手持ちのOPアンプで代用した。
TLE2426は千石電子共立エレショップなどから購入出来ます。(2023年現在)
他の代用回路は
こちらを参考にして最適な回路にすると良いでしょう。

2.減衰回路

1)減衰スイッチOFF時
入力抵抗の 5.1KΩと10KΩで 10/(10+5.1)≒0.662 減衰する。

2)減衰スイッチON時
入力抵抗の 5.1KΩと1KΩ、10KΩの並列抵抗≒0.909KΩで 0.909/(0.909+5.1)≒0.1513 減衰する。
(コンデンサーのインピーダンスは無視する)

上記したコンポCR-N755のLINE出力の実測開放端子電圧は1.95v(rms)ですが、
本装置に繋いだ時の実測端子電圧は 1.75(rms) です。
従い、減衰電圧は 1.75v×1.41×0.1513≒0.373(peak) になる。

3.プリアンプ回路

ゲイン調整用では6db 〜 17db(2倍〜7倍)の増幅をしてます。
以下の入力時に1v(peak)の出力電圧になり、針が0db表示をさせる仕様です。

1)減衰スイッチOFF時(減衰:0.662

出力電圧1v(peak)に必要な入力電圧はゲインVR最小時(2倍)で 1v/(0.662×2)≒0.755v(peak) である。

2)減衰スイッチON時:0.1513
上記したコンポCR-N755のLINE出力は減衰して 0.373v(peak) であり、
出力電圧1v(peak)に必要な入力電圧はゲインは 1v/0.373v×2≒2.68 である。
ゲインVRの目盛りは0〜100なので、(2.68-2)/(7-2)*100≒13.6 であり目盛りの14付近で微調整する事になる。

しかし、このSWR計のVR特性は非線形なので、この特性上から目盛りの30付近で微調整する事になる。

4.両波整流回路

半波整流よりも忠実な結果が得られる両波整流にしてます。10Hz〜20KHzまでフラットな両波整流が得られています。
この実測波形の黄色は両波整流波形。 青は次段のピーク・チャージ&遅延出力波形で、遅延VR最小時の平滑波形です。
5.ピーク・チャージ&遅延回路

ピークチャージをして、放電を遅延する事で短い音源に対しても針の振れを良くしてます。
ピークチャージ用に「積層セラミック・コンデンサー」を使ってますが、 電解コンデンサーよりもピーク・チャージ効率が良いです。
また、オペアンプ出力によりバッファー機能を兼ねています。

 
まとめ

 対数特性でメーターを振らしてないので線形レベルメーター機能であるが、メーターの機械的遅延の違いでも 針の振れは方は大きく変わり、何方の機能なのかは見分けは付かないでしょう。
また、対数特性の回路でメーターを振らせても見ましたが大差は無く、音の強弱をメーターで楽しむ分にはこれでも必要十分な機能だと思います。

 回路構成は贅沢にオペアンプを4個使ってますが、1個30円なので基板上の素子の費用は安価ですし、SWR計を流用する事で製作費用は非常に安価に済んでます。 現在もヤフオクで中古のSWR計が安価に出品されているので自作派にお勧めです。

 こちらVUメーター付マイクアンプもご覧下さい。