1.マイクアンプ
1)ゲインは24db 〜 46db(16倍〜200倍)。
2)周波数特性は10Hz〜100kHzまでフラットです。
・OPアンプ:NJM4580 定番のオーディオ用アンプ。
2.ヘッドフォン出力
0〜100%の出力可変。
・OPアンプ:NJM4580 定番のオーディオ用アンプ。
3.VUメータ
正規のVUメータ機能では無く、
線形レベルメータ機能ですが、以下の説明ではVUメーターと記載しています。
VUメーターの詳しい解説はこちらのサイトを参照すると良いでしょう。
・OPアンプ:LF412 帯域 3MHz。
・VUメータ:DE-1434
安っぽいVUメーターだが、ケースに収めると悪く無い見栄えに仕上がった。
4.LINE出力
マイクアンプのゲインは24db 〜 46db(16倍〜208倍)なので、
XCM6035の感度-35db入力時は-11db(0.28v)〜の出力である。
|
|
|
|
先ずはVUメーターの振れ具合を見てみましょう。
マイク入力に於ける、レコーダーのレベルメータとVUメーターの振れ比較です。
マイクアンプの左右ゲイン、及びVUメーターの左右ゲインを合わせの調整をしますが、LINE出力が-14dbになるアンプ・ゲインを基準にしてそれぞれのバランス合わせをします。
この調整後にレコーダー(RR-XS450)へLINE入力すると、レコーダーのレベル・メータは0db表示になります。
ゲイン調整機材構成 |
◆マイク・ゲインのゲイン調整 1)先ずテストトーンをダウンロードする。 2)パソコンのスピーカー出力調整を最大(100%)にする。 5)マイクアンプ、及びオーディオインターフェースのゲインVRを最小にする。 3)テストトーン(1kHz -6db)をメディアプレーヤで再生する。 4)テスターをACレンジに設定する。 5)LINE出力の右側端子電圧が0.142vになる様にオーディオインターフェースのゲインVRを調整する。(マイクアンプのゲインVRで微調整) 6)LINE出力の左側端子電圧が0.142vになる様に左側ゲインVRを調整する。 ◆VUメーターの左右バランス調整 1)右VUメータの針が0dbを指す様にVUメーター・ゲインVRを調整する。
|
20kHzを超えた当たりから徐々に振幅が減衰し始めています。
しかし、このVUメーターの主な用途は、マイク・カプセルの感度選別なので必要十分な性能です。
マイク入力したVUメーターアンプの両波整流波形であるが、この程度の周波数に於いては理想的な出力になっている。
これは、正と負の双方信号がVUメーターの針を振らせている訳です。
・オシロ1Ch(黄):マイクアンプ出力波形(TP3)
・オシロ2Ch(青):VUメータアンプ出力波形(TP1)
1)マイク音波形−1 | 2)マイク音波形−2 |
ネットで紹介されているのを参考にした回路であるが、詳しい動作解説はネットで検索して、そちらを見て下さい。
検索キーワード:「仮想グランド」「マイクアンプ回路」「ヘッドフォンアンプ回路」「VUメータ回路」「絶対回路」
ここでは簡単に補足事項を説明する。
1.電源回路
1-1)仮想GND方式の2電源に付いて
非力ではあるが仮想GND方式の2電源にする事で、VUメータードライブ回路には汎用OPアンプが使用出来る様にした。
仮想GNDのためのレールスプリッタ専用のICで
TLE2426があるが、手持ちのOPアンプで代用した。
TLE2426は千石電子
や共立エレショップなどから購入出来ます。(2023年現在)
他の代用回路はこちらを参考にして最適な回路にすると良いでしょう。
1-2)VUメーター動作に付いて
電源は006Pの電池で動作させているが、上記動作波形測定の際は
こちらの006Pで8.4vで動作させてます。
この電源電圧はVUメーター動作に影響し、電圧が高いと整流回路の出力振幅が小さくなるので8v位がベストな電圧です。
但し、20KHz以上の周波数特性の影響なので、実使用上の動作に於いては12v動作でも問題ないレベルです。
1-3)電圧変動に付いて
電源電圧の変動はマイクアンプに影響するので、電源電圧平滑用の電解コンデンサーは大きめにしているのだが、
これでもヘッドフォンの音が歪む程にゲインを上げると振幅に応じて20mv位の電圧変動が出る。
この対応として、マイクアンプ用(IC1、IC2)のオペアンプ電源には更に平滑用のCRを入れて、電源変動を抑えてる。
しかし、程良いヘッドフォンの音量のゲインであれば殆ど電圧変動は無いので、実使用音量では問題ないでしょう。
2.マイクアンプ回路
24db 〜 46dbのゲイン。
出力可変はアンプの増幅率を可変しているので0〜100%の出力可変にはなりません。
また、無信号状態でアンプ出力箇所(TP3)には100mv位の直流電圧がある。
3.ヘッドフォンアンプ回路
アンプ・ゲインは13dbで、0〜100%の出力調整。電源変動要因である事を留意。
4.VUメーター回路
4-1)整流回路に付いて
半波整流回路でVUメーターを駆動する簡素なものもあるが、少々拘った両波整流方式にし、
色々ある両波整流回路の中で最も素子数が少ない回路にしたが、必要十分な周波数特性が得られている。
4-2)電源電圧/整流出力振幅に付いて
整流回路の出力(TP2)動作は下図の様に矩形波出力になっており、周波数が高くなるに連れて、及び電源電圧が高くなるに連れて整流出力振幅が減衰するが、これはダイオードの応答性に依存する。
また、これがノイズ発生源である事に留意です。
・オシロ1Ch(黄):マイクアンプ出力波形(TP3) : →正弦波
・オシロ2Ch(青):VUメータアンプ出力波形(TP1) : →両波整流波形
・オシロ3Ch(赤):VUメータアンプ出力波形(TP2) : →矩形波
1)1kHz | 2)50Khz |
4-3)電源ON/OFF時のメーター振り切れ対応に付いて
電源ON/OFF時に、EMCへ電源を供給する為の2.2kΩ抵抗と、そこに繋がるコンデンサー10uFの充放電する電位が増幅されてメーターを振り切らせてしまう。
その対応としてメーターのGND側を、電源ON/OFF時に一定時間遅らせる動作をさせている。
5)マイクアンプの左右ゲイン調整とVUメーターの振れ幅調整
先ず、マイクの左右ゲインを合わせるが、一番簡単な方法はLINE出力をレコーダーに入力してレコーダーのレベルメーターが左右同じレベルになる様に左ゲインVRを設定する。
次に、VUメーターのレベルが同じになる様にVUメーターレベル調整VRを設定する。
電源ON時には3秒程度レベルメーターのGNDを遮断しているので、この間はメーターが振れない筈だが、左右のVUメーターGND側を結線しているので、マイクアンプの左右ゲインが合って無いと
ゲインの大きい方から小さい方に信号が流れ込みメーターが一瞬振れます。(上記4-3の回路動作が利いてない様な現象)
つまり、ゲイン差が大きい程に振れ幅も大きくなるので、メーターの振れが微動になる様に左右マイクアンプのゲインを調整してバランスを合わせます。
この電源ON時のメーター振れ動作は、マイクアンプの左右バランスが「ずれている」時に起きるので、左右バランスが合っているか否かを知る事が出来るので都合が良いです。
この製作したアンプは、VUメーター機能付きで極力コンパクトにしたのでケース内は「すし詰め」状態になってしまったが、
もう少し大きいケースを使い、余裕ある空間の中にしっかりした電源と干渉し難い組み付けにした方が良いでしょう。
以上の様に改善したいところはあるが、主目的用途では問題無い仕上がりです。
こちらVUメーターもご覧下さい。