ジャスティス

2001年 アメリカ
監督・グレゴリー・ホブリット
脚本・
出演・ブルース・ウィリス、コリン・ファレル、マーセル・ユーレス

1944年、ドイツ軍の捕虜収容所内で殺人事件が発生し、米軍中尉ハート(コリン・ファレル)は容疑者の黒人米兵の弁護を務めることに。しかし捕虜たちのリーダー的存在のマクナマラ大佐(ブルース・ウィリス)は、なぜか彼の調査をことごとく妨害していく…。 『オーロラの彼方へ』などのグレゴリー・ホブリット監督が、戦時下の収容所内を舞台に繰り広げるサスペンス映画。仕組まれた法廷劇にコンバット・アクションの醍醐味、さらには人種問題など盛りだくさんな内容となっており、その意味ではいかにもホブリット監督作品らしいが、そのため全体的に散漫な印象を与えていることも否めず、その意味でもいかにも彼のテイストではあったのは残念。ただしレイチェル・ポートマンの音楽には敢闘賞を与えたい。
非常戦闘区域

2002年 スペイン
監督・ダニエル・カルパルソロ
脚本・ダニエル・カルパルソロ , ホワン・カペスタニー
出演・エロイ・アソリン , エドゥアルド・ノリエガ , ルベン・オカンディアノ , サンドラ・ワルベック

アルバニアのコソボ地区に派遣されたPKO部隊員・ヴィダルが、無差別の銃弾が飛び交う戦場を舞台に、任務への疑問と葛藤を持ちながら、戦地からの帰還を目指して戦う姿を描く戦争アクション。リアルで迫力のある生々しい実戦シーンが見所。
エンド・オブ・ザ・ロード

1993年 香港
監督・チュー・インピン
脚本・ウー・ニェンツェン 、イップ・ワンチウ
出演・トニー・レオン 、ン・マンタ 、ロザマンド・クワン 、ジミー・リン 、トゥオ・ツォンホワ

第二次世界大戦後の混乱の中で、必死に生きる道を求めた若者たちの愛と裏切りを描いたトニー・レオン主演作。黄金三角地帯に取り残された中国軍のひとり・タンは、反ビルマ共産党の戦いで捕らえられた難民キャンプで、ある青年と出会う。
とにかく暗い映画です。国共内戦に敗れ、敗残兵として黄金の三角地帯に迷い込み捕虜として捕まったトニー・レオン一行は、兵器の横流しをする事で生き延びる。生きるか死ぬかの瀬戸際でキレイ事なんか通用しない。飢えたトニーが鶏の生肉をむしゃぶり食う、なんて事、想像も出来なかったのに…。戦争で死ぬ事も辛いが、したたかに生き残る事も辛いと考えさせられる映画です。 それからこの映画は、金城武主演でおバカ映画を撮る事で有名な台湾のチュー・イェンピン監督作って言うのも意外でした。
ティアーズ・オブ・ザ・サン

2003年 アメリカ
監督・アントワ・フークア
脚本・アレックス・ラスカー
出演・ブルース・ウィリス 、モニカ・ベルッチ 、コール・ハウザー 、イーモン・ウォーカー 、トム・スケリット

内戦下のナイジェリアで、米海軍特殊部隊シールズのウォーターズ大尉は、現地で医療活動を行っていた女医リーナの救出を命じられた。だが大尉は軍の命令を無視してリーナのみならず、彼女と一緒にいた難民たちの救出をも決意。そのため、国境まで歩いて逃げなければならなくなってしまう……。 信念に基づいて行動する大尉以下、シールズの隊員たちの姿を描いたもの。あまりにも残虐な、人間とは思えぬ行為をとる反乱軍のやり口をじっくりと見せる演出は、自然と観客とウォーターズの視点を同一化させていく。そのため、なぜウォーターズが軍の命令を破ってまで難民救出に出たか、その理由を声高には説明していないにもかかわらず、観客は彼の心境を想像することができるのだ。ただ後半、ウォーターズの関心がリーナだけに向けられたような演出に変化してしまうのが、ちょっと残念。
フィアーズ・オブ・ウォー

2001年 アメリカ
監督・シドニー・J.フュー・リー
脚本・グレッグ・メロット
出演・キャスパー・ヴァン・ディーン/ジェームズ・ウールヴェット/ボビー・ホセア/ジョセフ・グリフィン/キャリー・オーティス/ケネス・ジョンソン

ベトナム戦争終結から数十年が過ぎたある日、かつて米海兵隊の先鋭部隊"エコー中隊"を率いていたラムジー元大尉ら6名の元隊員がベトナムに降り立つ。彼らは戦争を回顧するドキュメンタリー番組の取材のために彼の地を再訪したのだが、それはラムジーと隊員たちの体験したある"悲劇"の真相を突き止める旅でもあった。生き地獄のような戦場で、一体何が起こったのか?ベトナムの照りつけるような灼熱の太陽の下で、ラムジーたちは封印していた恐るべき記憶を手繰り始めるのだった…。 「スリーピー・ホロウ」のキャスパー・ヴァン・ディーンが渾身の大熱演を見せる戦争アクション大作。リアリズムを追求するために敢行されたベトナム・ロケ、そして再現された当時の兵器などを使って描かれる戦闘シーンの迫力は必見だ。
K−19

2002年 アメリカ/イギリス/ドイツ
監督・キャスリン・ビグロー
脚本・クリストファー・カイル
出演・リーアム・ニーソン、ハリソン・フォード 、ピーター・サースガード 、クリスチャン・カマルゴ 、ピーター・ステッビングス 

潜水艦映画に、新しいヒット作が加わった。『K-19』は、28年間封印されていた実話を元にしている。冷戦時代のロシアの英雄たちを描いた最初のアメリカ映画だ。1961年、ソ連軍原子力潜水艦K-19で起きた悪夢が映画の中でよみがえる。きっかけは原子炉に生じたヒビ、放射能漏れが起これば大惨事はまぬがれない。必死の作業を続ける乗組員たちが命を落としていく。何かと対立する副艦長(リーアム・ニーソン)の方を、部下たちは慕っている。そんな状況の中で艦長(ハリソン・フォード)は決断をくださなければならない。フォードとニーソンという名優2人の熱演も見もの。2人の対立も、この映画に緊張感を与えている。監督は、『ニア・ダーク 月夜の出来事』や『ストレンジ・デイズ』でメガホンを取ったキャスリン・ビグロー。潜水艦という緊張感と興奮に満ちた空間を演出している。潜水艦映画の代表作である『Uボート』や『U-571』ほどではないかもしれない。K-19事故の生存者から実際にはあり得なかったシーンについてクレームもあった。しかし、この映画は、コンピュータ・グラフィックを駆使して作られたスケールの大きな作品であると同時に、現実を伝えようとしていることは確かだ。
北極圏対独海戦 1944

1983年 ロシア
監督・セミュヨーン・アラノヴィッチ
脚本・スヴェトーラナ・カルマリータ
出演・ロディオン・ナハペートフ、アレクセイ・ジャリーコフ、アンドレイ・ボロトネフ

第二次世界大戦中の北極圏攻防戦を描いた戦争アクション。イリューシン戦闘機から凍りつく海へ。発射された魚雷が、波を蹴り立ててドイツ軍の艦隊に襲いかかる! 迎え撃つ鉄十字対空機関砲の嵐。ある者は戦功を立て、ある者はあえなく撃堕されて海の藻屑と消える。北極海を臨む空軍キャンプ。家族とともに暮らす兵士たちにとって、日常の生活と激烈な戦闘には隔たりがない。緊急出撃で親友を亡くしたパイロット、戦火の中で、行方不明となった妻子を捜す司令官。それぞれが悲しみを胸に秘めながら、次なる出撃指令を待つのだった。愛する者と別れの言葉も交わすことなく散っていった勇者たち。第二次大戦期の北極圏攻防戦を、実際の戦闘フィルムも使用しながら描いた、これがホンモノの戦争映画! 筋金入りの男たちの闘志と悲哀に満ちた最期が、いま見る者の心を熱くする
地獄の戦艦

2001年 アメリカ/カナダ
監督・ミカエル・ソロモン
脚本・デヴィッド・フリード
出演・ジェームズ・カーン、ロバート・ショーン・レナード、ジェイミー・ハロルド、ヒュー・トンプソン、ダニエル・ローバック

アメリカが誇る海軍戦艦“アイオワ”で起きた大爆発事件の真相を描くパニックサスペンス巨編。潜水艦長の父を持つダンは、憧れの戦艦“アイオワ”で、16インチ砲の指揮官に抜擢される。そして1989年4月19日、艦長が見守る中、実弾演習が開始される…。
戦場のピアニスト

2002年 フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス
監督・ロマン・ポランスキー
脚本・ロナルド・ハーウッド
出演・エイドリアン・ブロディ 、トーマス・クレッシュマン 、フランク・フィンレイ 、ルース・プラット 

2002年のカンヌ映画祭においてパルムドールに輝いた『戦場のピアニスト』は、ロマン・ポランスキー監督が指揮することを運命づけられた映画である。幼少時代をナチス占領下のポーランドで過ごしたポランスキー監督こそが、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)の自伝を映画化するに相応しい唯一の人物と言える。ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びる。ナチスのホロコーストを映画化したこれまでの作品とは異なり、主人公の視点から忠実に描写され、ポランスキー監督によって壮大なスケールで戦争を描いた奥行きのある叙事詩となっており、シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びる様子と、彼が逃げ出すことを拒んだ街が徹底的に破壊される様子とを対比して浮かび上がらせている。一切の妥協を排して肉体的、感情的な真実性を追求することにより、『戦場のピアニスト』は希望と精神的純潔性の究極的な調べを奏でている。『シンドラーのリスト』と同様に、人間性の最も暗い部分を描き出した偉大な映画の中の1作である。
スターリングラード

2000年 アメリカ/ドイツ/イギリス/アイルランド
監督・ジャン=ジャック・アノー
脚本・ジャン=ジャック・アノー 、アラン・ゴダール
出演・ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ボブ・ホスキンス、エド・ハリス

第2次世界大戦下の1942年6月、極冠の地スターリングラードでソ連(現ロシア)とドイツの両軍による激烈な戦いが展開されていくなか、若きソ連兵ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)は狙撃の名手として国の英雄へと祭り上げられていく。しかしドイツ軍も、彼を暗殺すべくすご腕のスナイパー、ケーニッヒ(エド・ハリス)を彼の地へ送り込んだ…。 ソ連の社会主義を厳しく批判しつつも、歴史あるロシアの風土と文化には敬意を表し、また戦いそのものの全容を描くのではなく、実在の英雄ヴァシリの伝説をもとにした男と男の一騎打ち、そして極限状況下の男女の愛に焦点を絞ることで、壮大な人間ドラマを具現化させた、巨匠ジャン=ジャック・アノー監督の秀作。ヴァシリの恋人役レイチェル・ワイズを際立たせているのも、この監督ならではの素敵な賜物である。
プラトーン

1986年 アメリカ
監督・オリバー・ストーン
脚本・オリバー・ストーン
出演・チャーリー・シーン 、ウィレム・デフォー 、ケビン・ディロン 、フォレスト・ウィテカー

1965年に名門エール大学を中退し、上流階級の地位を捨てて、ベトナムで英語教師を務めた。67年には志願して米軍の歩兵となり、かの地を踏んだ若きオリバー・ストーン。ヒロイックな正義感で戦場に赴いてしまった当時の自分を内省し、その凄絶なる体験を告白した自伝的作品である。 彼の分身である兵士の目を通じて映しだされるのは、最前線での狂信的な隊長と班長の対立。そして極限の状況下での虐殺、強姦など、人間最大の愚行。ストーンは脚本執筆後、約10年間ねばって映画化を果たし、アカデミー作品賞、監督賞、編集賞、音響賞の4部門を獲得した。テーマ曲であるサミュエル・バーバー作曲の『弦楽ためのアダージョ』を奏でたジョルジョ・ドルリューの音楽が、悲愴感をいっそう高めている。
天と地

1993年 アメリカ
監督・オリヴァー・ストーン
脚本・オリヴァー・ストーン
出演・トミー・リー・ジョーンズ/ジョアン・チェン/ヘップ・ティー・リー/デビー・レイノルズ

ヴェトナム戦争とその時代のアメリカにこだわり続けるオリヴァー・ストーン監督が、ヴェトナム出身女性の波乱の生涯を回想したL・リー・ヘイスリップの自伝を映画化。小作農の娘として生まれ育ったリー(ヘップ・ティー・リー)は、ゲリラのスパイ容疑扱いを受け、やがて娼婦を経てアメリカ人将校スティーヴ(トミー・リー・ジョーンズ)の妻となってアメリカに渡り、しばし平和な生活が続くが…。 前半は戦時下の苛酷な様子が中心となるが、後半は完全にメロドラマと化していく。「内助の功」なる日本語が好きだというストーン監督の女性観がつぶさにわかるヒロイン映画ではあろう。音楽には日本を代表する世界的アーティスト喜多郎が参加している。
トラ・トラ・トラ

1970年 日本/アメリカ
監督・リチャード・フライシャー/舛田利雄/深作欣次
出演・マーティン・バルサム/山村聡/ジョセフ・コットン/三橋達也/E・G・マーシャル/ 田村高廣/ジェームズ・ウィットモア/東野英治郎/島田正吾/千田是也/宇佐美淳也 キース・アンデス/エドワード・アンドリュース/内田朝雄/ジョージ・マクレディ エドモン・ライアン/十朱久雄/安部徹/マコ

この映画は太平洋戦争開戦にいたる数ヶ月を日米双方から別々に描いているわけだが、アメリカ映画といっても日本側の撮影は日本の監督、スタッフ、俳優で撮影されているためありがちな不自然な描写がないので安心してみられる。 アメリカにとっても完全な不意打ちではなくて暗号解読によって予測は出来ていた(フィリピンかハワイか決め兼ねていた様子)ことや、日本は最後通牒を出したがワシントンの日本大使館の怠慢によって(暗号電報の解読に手間取った) 攻撃の直前に渡すはずの最後通牒が遅れてしまった事等、この映画で語られるエピソードは特にどちら側に荷担するわけでもなくかなり公平に描かれているように思う。※もちろん「パール・ハーバー」の十倍面白いことは言うまでもない。
パール・ハーバー

2001年07月20日 アメリカ
監督・マイケル・ベイ
脚本・ランダル・ウォレス
出演・ベン・アフレック 、ケイト・ベッキンセイル 、ジョシュ・ハートネット 、キューバ・グッティング・Jr. 、アレック・ボールドウィン 、ジョン・ボイト 、ユエン・ブレンナー 、トム・サイズモア

J・ブラッカイマー製作&M・ベイ監督という「アルマゲドン」('98)のヒットメーカー・コンビが贈る感動のラブ・ストーリー。製作費1億5000万ドル(約180億円)以上を注ぎ込んだ戦争版「タイタニック」('97)とも呼ばれる超大作だ。題材は1941年の真珠湾攻撃。第2次世界大戦開戦の地ハワイを舞台に、2人の米軍パイロットと看護婦が激動の時代の中で育む愛と友情が描かれる。CGを多用して描かれる頭上を低空飛行中の零戦部隊や眼下に写し出される爆弾投下中の爆撃機隊などの映像は息をのむ迫力。B・アフレックやJ・ハートネットら人気俳優の共演も話題だ。
シン・レッド・ライン

1998年 アメリカ
監督・テレンス・マリック
脚本・テレンス・マリック
出演・ショーン・ペン 、ジム・カヴィーゼル 、エリアス・コーティアス 、ニック・ノルティ 、ジョン・キューザック 、ジョージ・クルーニー 、ウディ・ハレルソン 、ジャレッド・レト 、ジョン C ライリー

J・1942年11月。アメリカ軍と日本軍は、太平洋戦争の歴史の中でも最も激烈といわれるガダルカナル海戦に突入した。爆風と怒号と悲鳴が入り乱れる最前線は、数メートル進むだけで多くの命が失われるこの世の地獄。そんな中、兵士たちは極限の恐怖に身を置いた者しかわからない特別な感情を抱くようになる。戦うことの意味を探し、過去への思いに駆られる男たちは、一人また一人と“シン・レッド・ライン”を超えていく…。「バッドランズ」「天国の日々」。たった2本の作品でハリウッド伝説の監督となったテレンス・マリックが20年ぶりにメガホンをとった、魂を揺さぶる戦争映画の秀作。スーパー・ベスト・プライス。
プライベート・ライアン

1998年 アメリカ
監督・スティーヴン・スピルバーグ
脚本・ロバート・ロダット/フランク・ダラボン 
出演・トム・ハンクス、マット・デイモン、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ、ジェレミー・デイビス、アダム・ゴールドバーグ 、ジョバンニ・リビージ、テッド・ダンソン、デニス・ファリーナ

一九四四年六月六日に決行されたノルマンディ上陸作戦。第二次世界大戦の局面を変え た闘いとして有名だ。連合軍の「大勝利」といわれている作戦だが、五つの上陸ポイント のうちオマハビーチではドイツ軍の猛反撃にあい、多くの犠牲者をだした。
 兵員輸送船が着岸し、その扉が開く間もなく、機関銃によって蜂の巣状態に銃撃される 兵士達。豪雨のように繰り注ぐ銃弾を避けながら海へと逃れる者にも、その海中に容赦な く銃弾は降り注ぎます。運良く上陸できても、地雷によって吹き飛ばされ、手榴弾の爆発 に火だるまになる惨憺たる状況。怒号に悲鳴、血しぶきに、折り重なる死体の山――。
ブラックホーク・ダウン

2001年 アメリカ
監督・リドリー・スコット
脚本・ケン・ノーラン / スティーブン・ザイリアン
出演・ジョシュ・ハートネット / ユアン・マクレガー / トム・サイズモア / サム・シェパード / エリック・バナ / ジェイソン・アイザックス / ジョニー・ストロング / ウィリアム・フィクナー / トム・ハーディ / ロン・エルダード / ジェレミー・ピーブン / ユエン・ブレムナー / ガブリエル・カセース / キム・コーツ / ゼリコ・イバネック / グレン・モーシャワー

1993年10月3日、独裁政権の蛮行がはびこるソマリア。米軍のガリソン少将は、独裁者の副官を捕らえる作戦を実行に移す。ソマリアの首都モガディシオ市内に乗り込むのは、レンジャー部隊とデルタ部隊で構成された100人の精鋭兵士。そのひとり、エヴァーズマン軍曹は、今回の戦闘で初めて一個隊の指揮を執ることになった。特技下士官のグライムズらとともに戦闘用ヘリ、ブラックホークに乗りこんだ彼は“隊全員を生きて連れて帰る”という誓いをかみしめる。午後3時22分、兵士たちは市内への降下を開始。順調に進めば、作戦は1時間以内で終了するはずだった。ところがその時、ソマリア民族兵が攻撃を開始。これは新兵の墜落事故を誘発。さらに一機のブラックホークが撃墜されてしまった。勢いづいたソマリア民族兵の攻撃は、ますます激しくなり、降下した兵士たちは廃墟と化したビル内に釘づけにされ、作戦を遂行するどころではなくなっていた。エヴァーズマンの隊も司令本部と連絡をとりつつ、合流地点を目指して銃弾のなかを駆けまわるが、安全な場所はどこにもない。救出に向かっ た車両隊も猛攻のまえに迷走するばかり。さらに2機目のブラックホークが撃墜されるにいたり、市街戦は泥沼化の一途をたどる…。
マッカーサー

1978年 アメリカ
監督・ジョセフ・サージェント
脚本・ケン・ノーラン / スティーブン・ザイリアン
出演・グレゴリー・ペック、ダン・オハーリー、エド・フランダース、ディック・オニール、ウォード・コステロ、サンディー・ケニオン

敗戦後の日本に降り立った日本占領連合軍最高司令官・ダグラス・マッカーサーの激動の半生をグレゴリー・ペックを主演に描いた戦争映画。
ワンス・アンド・フォーエバー

2002年 アメリカ
監督・ランドール・ウォレス
脚本・ランドール・ウォレス
出演・メル・ギブソン/ マデリーン・ストー/ サム・エリオット グレッグ・キニア/ クリス・クライン/ ジョシュ・ドーハーティ ブレイク・ヘロン/ バリー・ペッパー/ ケリー・ラッセル エドウィン・モロー/ ドン・ズオン

'65年、ベトナムのイア・ドラン渓谷。アメリカ軍は、400名の新兵を最前線までヘリで運び、降下させるという過酷な作戦を決行する。その若き兵士たちを率いるのは、正義感に溢れ部下の信頼も厚いハル・ムーア中佐。ところが彼らが戦場に降りたつや否や、瞬時に2000名の北ベトナム兵に包囲されてしまう。予想を遥かに超える熾烈な戦いの中、次々と倒れていく兵士たち。それはアメリカ史上最も過酷な戦いの一つであり、この後10年に及ぶベトナム戦争激化のきっかけとなった地獄の戦いであった…。 ベトナム戦争初期の伝説の大決戦"イア・ドランの3日間の戦い"を空前の迫力で描いた感動巨編。原作はベトナム従軍経験を持つハル・ムーアとUPI特派員、ジョー・ギャロウェイの共著「We Were Soldiers Once...and Young」。全米で17週連続ベストセラーを記録したこの作品に惚れ込んだウォレス監督が、8年の歳月と多額の私財を投じて完全映画化した戦争大作だ。主演は「ブレイブハート」に続きウォレス監督とのコンビとなる名優、メル・ギブソン。 本作は北米版を凌ぐ豪華特典群を収録した豪華2枚組となっている。
炎の戦線 エル・アラメイン

2004年1月17日 イタリア
監督・エンツォ・モンテレオーネ
脚本・エンツォ・モンテレオーネ
出演・パオロ・ブリググリア,ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ,エミリオ・ソルフリッツィ,ルチアーノ・スカルパ,トマ・トラバッチ,シルヴィオ・オルランド,ロベルト・チトラン,ジュゼッペ・ツェデルナ

第2次世界大戦。エジプト砂漠にあるエル・アラメインではドイツ軍とイギリス軍による戦闘が繰り返され、イタリア軍はドイツの同盟国として参戦。1942年10月。学生志願兵のセッラは北アフリカ戦線のイタリア軍歩兵陣地に着任した。イギリス軍による容赦ない攻撃。荒廃した砂漠の向こうに広がる地雷原。水も食料も不足し、兵士たちは渇きと赤痢で苦しめられている。セッラは前線の過酷さを痛感した。進むことも退くこともできない兵士たちはなんとか気力を保っていた。そんな中、破壊した車の影に潜むイギリス軍の狙撃兵を迫撃砲で車の残骸ごと吹き飛ばしたことで志気が上がる。また、地雷で横転したイギリス軍の車に残された食料を確保する。 リッツオ曹長は言う。「人生で3回奇跡が起きる」。セッラは着任してから2度の運を使い果たしていた。最初は着いてから間もなく攻撃を受けた時。案内役の伍長は跡形もなく消えた。2度目は300キロ重量に対応する戦車用の地雷を踏んだ時。対人でなかったため命を落とさずに済んだ。残りは1回。あとは祈るしかないという。
厳戒武装指令

2002年 ロシア作品
監督・ニコライ・スタンブラ
脚本・エドゥアールド・ヴォロダールスキー/セルゲイ・ブラトチコフ
出演・ウラジーミル・ヴォルガ、オルガ・チュルシナ、エフゲーニ・コーズイレス、アレクサンドル・バルーエフ、フェドル・スミルノフ

孤児として育ったアレクサンドルの生きる道。それは、志願兵として入隊し、軍人として窮地に立つ仲間たちの危機を救うことだ。アレクサンドルは、運悪く徴兵された学生ウラジミールと同じ歩兵部隊に配属され、チェチェン紛争の激戦地へと向かう。行軍中、敵の猛烈な銃撃を浴びて、一瞬にして命を落とす兵士たち。わずかな油断が死へとつながる恐怖。アレクサンドルは果敢に反撃し、ゲリラたちを森へと追走するが、一瞬の不意を衝かれてウラジミールとともに捕虜になってしまうのだった。拘束した兵士の身代金を要求する民族派ゲリラ。それに対応しようとするウラジミールの親族たち。そして、ロシア軍。成りゆきを知らないアレクサンドルたちは、イチかバチかの脱出を決行、何とか追手を振り切ったかに思えたのだが…。
英雄の条件

2000年 アメリカ
監督・ウィリアム・フリードキン
脚本・ステファン・ガーガン
出演・トミー・リー・ジョーンズ 、サミュエル・L.ジャクソン 、ガイ・ピアース 、ブルース・グリーンウッド 、フィリップ・ベイカー・ホール 、アン・アーチャー 、ベン・キングズレー

中東イエメンで起こったアメリカ大使館包囲事件。アメリカ政府の要請で大使館員救出に向かったチルダース大佐率いる海兵隊は、暴徒と化した民衆に向かって銃撃を決断。それは83名の一般市民が殺害され、百数名にも及ぶ一般市民に負傷者を出す結果になった。これは、「狂気の無差別殺人か?正規の軍事行動か?」。発砲命令を出したチルダース大佐の弁護を引き受けるのは28年前、ベトナム戦争でチルダース大佐に救われた戦友のホッジス大佐。アメリカ政府の威信を失墜させたこの事件の裁判は孤立無援の2人にとって、あまりにも過酷な戦いになっていくのだった。
ウインドトーカーズ

2002年 アメリカ
監督・ジョン・ウー
脚本・ジョン・ライス/ジョー・バッター  
出演・ニコラス・ケイジ,アダム・ビーチ,ロジャー・ウィリー,クリスチャン・スレイター,ピーター・ストーメア,フランシス・オコーナー

第二次大戦、日本軍との激しい闘いが続く中、この闘いの要となった暗号の死守に奮闘する男たちの熱き友情と葛藤を描いた、ジョン・ウー監督、ニコラス・ ケイジ主演で贈る、戦争アクション。
太平洋戦争の激戦地サイパンを舞台に、固い絆で結ばれた米軍兵士たちの姿を描いた戦争大作。『M:I-2』(00)のJ・ウー監督が、お得意の迫力たっぷりのアクションを随所に散りばめながら熱い男のドラマを展開させている。『フェイス/オフ』(‘97)でウーとコンビを組んだN・ケイジが、戦闘で心に傷を負った主人公エンダーズに扮して見事な演技を披露。また、『ザ・コンテンダー』(00)のC・スレイター、『ショコラ』(00)のP・ストーメア、『A.I.』(01)のF・オコーナーら、脇を固める演技派&実力派の妙演も見逃せない。
タイガーランド

2000年 アメリカ
監督・ジョエル・シューマカー
脚本・ロス・クラヴァン/マイケル・マクグルーサー
出演・コリン・ファレル、マシュー・デイヴィス、クリフトン・コリンズ・Jr.、トーマス・グイリー、シア・ウィグハム、ラッセル・リチャードソン 、ニック・サーシー、コール・ハウザー

1971年、アメリカがベトナム戦争の泥沼に入っていった頃のこと。ルイジアナ州ポーク基地では、戦地に赴くため、若者たちが厳しい訓練に耐える日々を送っている。いずれの若者も戦争に対してあまりに無知であり、そしてまだ精神的に見れば子供であった。第3部隊A中隊には、統率を乱す若者がいた。その名はボズ。懲罰をもろともせず、上官に対し挑発的な態度を取り続ける。隊の他の者たちは、ボズの行動に好意を抱くものもいたが、同時に動揺をもたらすものでもあった。ボズの努力にもかかわらず、彼らは「アメリカのベトナム」と呼ばれる“タイガーランド”へ送り込まれる。そこは、ジャングルでのむごいベトナム戦争を再現した、最後の試練の場所だった……。