カキ(柿)
丈夫で育てやすい日本の代表果樹
◆カキノキ科 ◆常緑中高木
1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月
開花
花芽形成
前定・整枝
植えつけ








日本、朝鮮半島、中国に原生する落葉広葉の高木で、果実は大きくて甘柿は生食する。
・わが国では古くから品種改良されており、最も作りやすい家庭果樹の代表種といえる。
■種 類
・富有は収穫期が11月上旬〜中旬と晩生であるが、大果で、肉質ともにすぐれた甘柿の代表種。 次郎は大果で中心部がややくぼむが、肉質のすぐれた甘柿の代表種。松本早生富有は富有より2週間ほど早く熟す優秀果。 禅寺丸は甘柿の古い品種であるが、実つきがよく、また雄花をよくつけるので授粉樹に適する。 平核無は寒さに強い渋柿の代表種で肉質がすぐれた品種。西條もよく作られている渋柿の代表種。 蜂屋は渋みのある大果で、干し柿に使われる。百目には甘百目と渋柿のなかに入る甲州百目、大和百目がある。その他多くの品種がある。
・花には雄花と雌花の別があり、一樹に雌花しかつけない種類は実つきが悪い。 その場合は雄花をつける品種をもう1本植えるようにしてやるとよい。
・トキワガキは中国四川省から十数年前に導入された観賞用のカキで、常緑性で濃緑色小葉と親指の先大の橙赤色の果実が美しく、 庭木、鉢植え、盆栽に通する。甘柿のロウアガキもトキワガキと同時期に中国から導入された品種で、落葉性でありながら寒さにやや弱い。 果実は小指の先大で美しいが渋くて食べられない。
■栽培のポイント
甘柿は暖地向きといえる。渋柿は適応性が広く、暖地でも栽培できるが、暖地では肉質が劣る。日当たり、排水のよい肥沃地に適する。 富有、次郎、百目など優良種は1本では結実しなかったり脱渋が行われないので、2〜3種の混植が望ましい。
●苗木の選び方
苗木は接ぎ木によるので、接ぎ口がしっかりしている、細根が多い、太くて健全な苗がよい。 できれば豆柿台(根の切り口が黄色)ではなく、共台苗(根の切り口が白い)を選びたい。
●植えつけ時期
11月下旬〜翌年2月ごろまでが適期といえる。関東以西では11月下旬〜12月の植えつけをすすめたいが、東北では春植えがよい。
●植えつけ方
細根は乾きやすく、乾かすと傷みやすいので、根を乾かさないように扱うことが大切である。直根性なので穴は深めに掘り、 堆肥を入れて植え土とよく混ぜ、高めになるように植えつける。地上部は半分くらいに切り詰め、支柱を添えておく。
●施肥
植えつけ1年目は枝がわずかに伸びる程度なので、施肥はほとんど必要ないが、2年目からは寒肥、追肥を施して肥培していく。
●病害虫
炭そ病、黒星病、カキノヘタムシがよく見られる。冬季、石灰硫黄合剤を散布し、萌芽後はダイセン、ボルドー液を散布。 ヘタムシには5月下旬〜9月にかけて殺虫剤を定期的に散布していく。
■実を成らせるための剪定法
花芽は太く元気のよい枝の項部の2〜3の芽に形成されるが、徒長枝にはつくられない。 このようにほかの果樹と異なるため、冬季前刀定では徒長枝とこまかい杖は切るが、ほかの枝の先を切ることは絶対に避けたい。 込みすぎた枝は大きく枝抜きをするようにしていく。
★よく結実したが、結実まもなくから落果して、収穫期には何個も取れなかったが。対策は。
落果の原因は生理落果によるもので、これは授粉が完全に行われていないためと、実が成りすぎることによる落果で、 これが原因の落果は7月中旬ごろまでに終わる。その後の落果はカキノヘタムシによる落果である。このヘタムシは6月と8〜9月に発生が見られるので、 5月下旬から9月にかけての定期的な殺虫剤の散布はぜひ行いたいものである。しかし生理落果後も果実が多すぎると、 果実の大きさ、色などが劣り、品質の低下と樹勢を弱め、隔年結果を起こすので、摘果も必要な作業である。













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