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古くから日本人に愛され続けてきた花木の一つである。中国原産で北海道から九州まで植栽でき、花、果実、樹形
と楽しめる数少ない花木といえる。
■種 類
陶芸品種が多く、現在300種以上の品種がある。大きく分けて野梅性、紅梅性、豊後性、杏性に分類されている。代
表的なものに、冬至梅(白花一重早咲き種)、寒紅梅(最も早く咲く濃紅色種)、見驚(淡い紅を含む八重咲き大輪種)、
米良(白色一重の小輪で、最もウメらしい花)、鹿児島紅(緋紅色中輪の早咲き種)、道知辺(きれいな紅色の大輪種)、白
加賀(白色一重咲きの実ウメの代表種)、甲州小梅(白花一重咲き小輪の早咲き種で実ウメの代表種。授粉樹によい)、
養老(淡紅色一重咲きの中輪の実ウメ)などがある。
■栽培のポイント
日当たり、排水のよい肥沃な所で、冬の冷たく乾いた風は防ぎたい。場所に適した樹形も容易に作れるので作りやすい。
実ウメは別々の品種を2本以上植えることが大切である。
●苗木の選び方
接ぎ木苗で売られているが、信用のおける種苗店で、しつかりした苗を選びたい。花の色、形などが豊富なので2〜3月
の花の咲いているときに、好みの品種を選ぶとよい。
●植えつけ場所
できるだけ広い場所を選びたい。理想的には東側に斜面をもつような場所がよい。
●植えつけ時期
寒地では4月でよいが、その他の地域は12月中句与下旬から2月がよい。移植も可能であるが、3月上旬までには終わらせたい。
●植えつけ方
植え穴は大きめに掘り、やせ地では穴底に堆肥を十分に入れてよく踏み込み、高めになるように植える。
苗は半分から三分の一くらい切り詰めておき、元気のよい枝を出すようにする。
●植えつけ後の管理
ウメ切らぬ馬鹿、といスノ諺があるように、12月下句から1月中句ごろまでに剪定して樹形を整えるが、鉢植えは花の終
わった直後に切る。
●施肥
窒素過多は避けたい。12月下句〜2月上旬および8月下旬〜9月上旬に油かす、骨粉、化成肥料等を木の大きさに応じて施す。
●病害虫
アブラムシ、ケムシ、コスカシバなどや黒星病などがわりあいに多い。定期的に駆除したい。特に4〜6月と12〜2月に重点的
に薬剤を散布するとよい。
■狭い庭向きの仕立て方
果実の採取を目的とする場合は、根葉にまんべんなく日が当たり、通風を配慮する。盃状形が一般的な樹形となるが、
一般の庭では幹に少しくせをつけ、枝は短く切り詰めて、場所に適した樹形に作っていく。しだれ種も狭い庭に適する。
■花を咲方せるための剪定法
●花芽のつく時期とでき方、咲き方
花芽はことし伸びた新梢の短枝に7月上旬〜中旬に作られ、翌年春にその位置で咲く。
●花を咲かせるための剪定の仕方
長い枝には花芽があまりつかないため、基部を10芽から半分くらいに切り詰め、短枝を多く作るようにする。
●花後の処理
花ウメは12〜1月、または花の終わった直後に剪定を行ってもよいが、実ウメは放任しておく。
●剪定を怠ったら
枝先の新梢は長く伸び、大きな樹冠になってしまうが、強剪定が可能なところから、12月下句〜2月に強剪定を行い、
希望の樹形を作っていく。太い枝の切り口には、保護剤を塗っておくのがよい。枝はよく伸びるが、花つきが悪い。
花つきをよくする努定は。ウメは長く伸びた枝には花芽があまりつかず短枝によく花芽をつける。剪定は落葉した冬季に行うが、
長い枝を強剪定すると、翌年はその部分から強くて長い枝が伸びてしまい、短枝ができなくなる。 長い枝は半分くらいに切り詰め、
基部に短枝を多く作るようにすると花つきがよくなる。
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