日本はツツジ類が非常に多く、世界一といっても過言ではない。2〜3月から咲き始めるミツバツツジやゲンカイ
ツツジ、5〜6月に咲くサツキツツジなど、常緑性や落葉性、半落葉性、また樹高が30〜50cmのミヤマキリシマツツ
ジ、ヤシオツツジのように小高木状になるものなど、花色、花形ともに、非常に多くの種類や品種がある。
■種 類
ヤマツツジ、ヒラドツツジ、リユウキュウツツジ、クルメツツジ、モチツツジ、キリシマツツジ、ミヤマキリシマ
ツツジ、レンゲツツジ、キレンゲツツジ、ミツバツツジ、チョウセンヤマツツジ、サツキツツジなどが一般家庭向き。
■栽培のポイント
全般的に陽光を好む植物である。山の岩場に美しく咲くミツバツツジ、自生地のような環境をつくつてやるとよく
育つ。酸性土を好むが日本の場合、問題はほとんどない。
●苗木の選び方
種類、品種が非常に多くあるので、花の咲くころに花を確かめて株を選ぶとよい。特にクルメツツジのように品種
の多いものは花どきに限る。
●植えつけ場所
浅根性で、酸性を好むところから、赤土や、火山灰質の黒土で腐植質を多く含む軽い土が最も適している。
鹿沼土やビートモスは最も適した用土といえる。
●植えつけ時期
常緑性は3月から開花期、および9〜12月。落葉性は2月下旬〜3月下旬、および11〜12月が適期。
●植えつけ方
植え穴を掘って植えつけるよりも、土の上に株を置き、周囲に培養土を寄せてやる植え方が、失敗のない植え方といえる。
●施肥
花の終わった直後と8月下旬の2回、油かすに粒状の化成肥料を等量混ぜたものを、2〜3握り、根元にば
らまいてやる。また、腐葉土やビートモスなどを根元に厚めに敷いてやるとよい。
●病害虫
アブラムシ、ツツジグンバイムシ、ハダニなどが、春から秋に発生する。開花期を除き、定期的な薬剤散布が効果的。
■花を咲分せるための剪定法
●花芽のつく時期とでき方・咲き方
樹冠の面積に対する花の量をみると、これほど多くの花を咲かせる花木も少な
花芽はことし伸びた技の先端に7月下句〜9月の間に作られる。この芽は翌年春に開花し、花が終わるころから新梢が2〜5本伸び、
その先端につぼみができる。放任するとこのサイクルで、生長と開花を繰り返す。
●花を咲かせるための剪定の仕方
花芽(つぼみ)は新梢の先端につくので、花の終わった直後に刈り込みを行い、
樹冠をそろえてやる。花牙が形成された8月以降の刈り込みを避け、11月以降樹冠を著しく乱すとび枝を切り取る程度とする。
落葉性ツツジは萌芽力が弱いので、刈り込みの必要はない。密生している部分や樹冠から飛び出している枝を間引く程度にする。
★毎年新梢はよく伸びるが、花をあまりよく咲かせないが
日当たりと水はけのよい場所であれば、どのツツジも花をよく咲かせるわけであるが、やっかいな害虫がいる。
それはつぼみのつけ根にもぐり込んで食害するペニモンアオリンガ(シンタイムシ)の幼虫である。5〜6月と8〜9月の2回発生し、
8〜9月の発生がつぼみに食入して落としてしまう。定期的にカルホス乳剤かEPN乳剤を散布しておくとよい。
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