ツバキ・サザンカ(椿・山茶花)
気品に満ちた花の姿が人気
◆ツバキ科 ◆常緑低木
1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月
開花
花芽形成
前定・整枝
植えつけ








ツバキは古くから多くの人に愛されてきた花木の一つであり、茶花としても人気が高い。ツバキ、サザンカはともに非常に多くの品種や変種がある。 その多くは本州から沖縄までの、主に太平洋岸沿いに見られる「ヤブツバキ」、九州から沖縄に見られる「サザンカ」が基本種となっている。
■種 類
・ヤブツバキは紅色一重の基本種の代表種、白玉椿は白一重中輪の早咲き種、明石潟は紅色重ね咲きの巨大輪種、 岩根絞りは赤色に白斑の美しい品種であるが、生長が遅く、やや作りにくい。
・曙は淡紅色の一重抱え咲きの早生種、西王母は淡桃色一 重の抱え咲きの極早生種で、茶花向き。玉の浦はヤブツバキの変種で、赤色に白の覆輪が美しく入る。ルチエンシスは南方系の原種のごく小輪で、 芳香が強い。サルトは紅色小輪の一重で芳香の強い品種。
・そのほか多くの品種がある。サザンカでは、富士の峰は純白色、八重咲きの強健種。 御美衣は一重大輪で、少し紅色を帯びる白色に紅覆輪が広く入る美花。そのほか多くの品種がある。
■栽培のポイント
日陰にも強い植物であるが、できるだけ日当たり、排水のよい所がよい。
●苗木の選び方
挿し木、接ぎ木、実生苗があるが、すなおに伸びた、品種の明確なものがよい。
●植えつけ場所
著しい日陰地や樹陰地では生育も花つきも悪い。午前中十分に日の当たるくらいの所で排水のよい肥沃地が適する。
●植えつけ時期
十分暖かくなってからがよく、ソメイヨシノザタラが散り、ヤエザタラの花のころを一応の目安とする。8月下旬〜10月上旬も適期といえる。
●植えつけ方
植え穴は大きく掘り、堆肥を元肥に入れてよく踏み込み、さらに庭土を少し戻してから苗を入れ、根をよく広げて高めになるように植えつけ、 さらに支柱を取 りつけるとともに、ラベルも忘れずにつけておく。
●施肥
1〜2月の寒肥、4〜5月のお礼肥、8〜9月の追肥と3回与える。肥料は油かすと骨粉か、粒状化成肥料を等量混ぜたものを根元に1握りばらまくようにする。
●病害虫
花腐れ病やチャドクガ、カイガラムシなどが主に発生する。花の終わった直後から10月にかけて、定期的な薬剤散布が効果的。
■狭い庭向きの仕立て方
ツバキ、サザンカともに萌芽力が強く、強く切り詰めることが容易なので、少し手を加えてやれば、狭い場所にも適した樹形が簡単に作れる。 最も一般的な形は円筒形であるが、スクリーン仕立てや玉仕立て、少し大きなものでは散らし玉仕立てなど、好みの樹形で楽しむことのできる花木である。 サザンカは生け垣にもよく利用される。
■花を咲かせるための剪定法
●花芽のつく時期とでき方・咲き方
花芽(つぼみ)は花の終わった後に伸びた新梢の項部に、7月ごろ作られる。ただし、若木では枝が元気よく伸びるが、花芽はつきにくい。
●花を咲かせるための剪定の仕方
整枝、剪定は花の終わつた直後が適期。秋咲きのサザンカは花後か、3月ごろに行う。 樹形仕立てのものは、花後に強い刈り込みをして、秋以降は樹形を乱す枝を整理する程度にとどめる。
■つぼみがたくさんつくが、花が咲かない場合がある。何が原因か。
庭植えでも乾きやすい所で長年たつと、細根がびっしり張ってきて根詰まりの状態になる。このような状態になると、 またつぼみが非常によくつくという道の現象となってくる。この状態で早春に乾燥すると花は咲かず、つぼみは落ちてしまう。 このような場合、4月中旬に根元に放射状に溝を掘り、完熟堆肥など有機質を入れ、細根の更新をはかってやるとよい。













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