マンサク(万作)
早春に咲く素朴な花
◆マンサク科 ◆落葉中高木
1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月
開花
花芽形成
前定・整枝
植えつけ








マンサクは本州から九州山地に見られる花木であり、葉に先立って咲く。トキワマンサクは常緑性で、マンサクとは属を異にする。 ホッサギラは落葉広葉の1mくらいの低木で、4〜5月に花を咲かせる。
■種 類
アテツマンサク、二シキマンサク、シナマンサクなどがある。インターメディア系はマンサクとシナマンサクの交雑種で、 紅花や鮮黄色など園芸種が多い。トキワマンサクは中国中〜南部原産の常緑性白花種。 べ二バナトキワマンサクは紅色の美しい花を咲かせる常緑性種。ホツサギラはシロバナマンサクとも呼ばれ、白いブラシ状の花を咲かせる。 小苗でもよく花をつけ、庭木、鉢植えに通する。
■栽培のポイント
樹勢が強く、日当たり、排水のよい場所が通するが、やや日陰でもよく生育し、花をつける。土質は特に選ばないが、 腐植質に富む肥沃地を好み、単植すると効果的である。
●苗木の選び方
マンサク、アテツマンサクは実生苗も見られるが、最近はほとんど接ぎ木苗である。トキワマンサクは挿し木苗である。 インターメディア系は品種が豊富であるから、花の咲いている苗を求めるとよい。
●植えつけ場所
日当たり、排水のよい所であれば土質は特に選ばないが、根元が著しく乾くところは保湿性をもたせる土にしてやりたい。 背景に緑があると黄色が一層鮮やかに映えて美しく楽しめる。
●植えつけ時期
11月下旬〜12月、および2月下旬から花の終わるころまでを適期とする。トキワマンサクはソメイヨシノザタラの花が散るころがよい。
●植えつけ方
植え穴は大きめに掘り、堆肥を植え土とよく混ぜ、高めになるように植えつけ、十分灌水して支柱をしっかり取りつけておく。
●植えつけ後の管理
根が張ってくると台芽はもちろん、接ぎ口の付近からひこばえをよく出す。放置すると多数の枝を出して大きな株になってしまうので、 早めに枝を2〜3本に整理しておき、他の枝は発生次第切り取っていく。
●施肥
1〜2月と花の終わった4月、8月の下旬の2回、油かすと骨粉を等量混ぜたものか、粒状化成肥料を1〜3掘り根元に施す。
●病害虫
根元にテッポウムシがつく程度で、他にはほとんど見られない。
■狭い庭向きの仕立て方
放任しても樹形をよく整えるが、年々大きくなり5〜6mの大株となるので、毎年剪定して場所に調和する樹形を作っていくとよい。 枝は必ずつけ根で切り、小さくても自然 の姿をできるだけとどめるようにすることが大切である。
■花を咲かせるための剪定法
場所に余裕があれば、放任しても美しいが、むやみに伸ばすわけにはいかず、剪定も必要となる。 花芽のない枝は途中で切るようなことは避け、不必要な枝は必ずつけ根から切り取り、できる限り自然形を失わないようにする。 トキワマンサクは、枝があまり太くならないところから、樹形に適した長さのところで切ってもさしつかえない。
●花芽のつく時期とつき方・咲き方
マンサク、トキワマンサクとも、花芽はことし伸びた充実した短枝の葉腋につき、翌春〜初夏にそこで咲く。元気よく長く伸びた枝には、 まれに基部につく程度で、ほとんどつかない。
●花を咲かせるための剪定の仕方
いずれも花つきの非常によい木であるので、改めて咲かせるためにという心配はほとんどない。 枝は2〜3本にして株をつくっていき、樹冠内部の枝の前空足は12〜1月に行い、枝全体に通風・採光をはかってやるとよい。
★枝はよく伸びるが花が少ない。どうしてか。
マンサクは20〜30cm以上伸びた長い枝にはほとんど花芽をつけない。まれに基部につく程度である。花芽は短枝の葉腋につくられるから、 長い枝は冬季に、基部数芽を残し て切り詰めて、短枝を多くつくるようにしてやる。













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