ボタン(牡丹)
豪華で気品に満ちた花
◆ボタン科 ◆落葉低木
1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月
開花
花芽形成
前定・整枝
植えつけ








日本には薬用木として千年以上も前に中国から渡来しているが、今では「日本の花木」といっても過言ではない。 豪華で気品のある花容は、花の中の王様といえる。
■種 類
ボタンははっきりした分類はされていない。育生地をとって日本のボタン、中国ボタン、西洋ボタンなどと呼ぶこともある。 苗木が多く出回っているのは、桃色千垂咲き大輪種の七福神。鮮桃色千重咲き巨大輪種の花競。 暗紅色で黒牡丹の代表種である初烏。濃紅色八重咲きの大輪種の花大臣。ハイブリッド・アメリカ系の黄花のハイヌーン。 ボタンには珍しい絞り咲きの島錦。白色千垂咲きの大輪種で、白牡丹の代表種である玉廉などである。
■栽培のポイント
日当り、排水がよく、腐植質に富む少し粘質の肥沃土が適するが、夏の強い西日をやや避けるような場所がよい。
●苗木の選び方
ボタン苗はシャクヤクの実生台木に接いだ2〜3年ものがほとんどであるが、品種が多く、扱いの適期が秋ということで、 信用のおける店で求めるか、春に鉢植えで花の咲いている苗を求めるのがよい。
●植えつけ場所
他の庭木と接するようなところは避け、できるだけ広い場所を選びたい。水はけのよいことも大きな条件のひとつである。
●植えつけ時期
9月下旬〜11月上旬が適期である。
●植えつけ方
植え穴は大きく掘り、堆肥を穴底に入れ、根を四方に広げて植えるが、接ぎ口が3〜5cm土中に入るくらいに埋め、全体が高めになるように植える。 植えつけ後は乾燥を防ぐため、稲わらや堆肥を根元に敷 いてやるとよい。
●施肥
1〜2月に寒肥として、根元周囲に溝を掘り、乾燥鶏ふんや堆肥など有機質肥料を埋め、さらに花が終わった直後と、 8月下旬〜9月上旬に、油かすに骨粉を等量くらい混ぜたものか、リン酸、カリ成分を多く含む粒状化成肥料を、 木の大きさに応じ1〜3握り根元にばらまいてやる。
●病害虫
白絹痛にかかりやすい。もしこの病気に侵されたら、思いきって焼却処分するくらいの勇気がほしい。抜いたあとの土は殺菌剤で消毒をしておきたい。 病害虫の予防は花の終わった直後から9月ごろと12〜2月にかけて、月に1度くらい殺菌剤の散布をしていきたい。
■花を咲かせるための剪定法
●花芽のつく時期とでき方・咲き方
花の咲いた枝はもちろん、花は咲かなくても充実している新梢の、わりあい上部の芽に6月下旬〜8月上旬ごろ花芽が形成される。 この花芽は翌年4月に萌芽を始め、5月上旬に項部に花をつけるので、新梢は大切に扱いたい。
●花を咲かせるための剪定の仕方
整枝は11〜12月ごろか1月中旬〜2月ごろがよく、花芽をもたない小枝や不要枝を整理してやる。 樹高を低く抑えたいときは、5月下旬ごろ新梢の菓腋にある芽を、花芽がほしい位置の芽を残してほかのはきれいにかき取っておく。
●花後の処理
特になく花がらを摘み取る程度でよい。
●剪定を怠ったら
むやみに大きくなる木ではないので、あまり切り詰めは行わないが、著しく低く仕立て直したい場合は、 下部から出ている芽を残し、その上で切り、新しい枝を伸ばしていく。
★株は大きくなったが、先端のはうにだけしか花をつけない。
・ボタンの花は、充実した新梢の先端部につき、基部のほうの芽は葉芽になる。したがって放任しておくと、 株が大きくなり花は上部だけにしか咲かなくなってしまう。
・下部に花を咲かせたいときは、5月中旬〜下旬に、新梢の下部の芽を残し、上部の芽を摘み取っておくと、下部の芽が充実し、翌年の花芽となる。 なお、冬季にこの花芽の上で切り詰めれば、樹高を低く仕立てることができる。さらに低くしたいときには、前述のような処置をするとよい。













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