梅雨期の花 といえばアジサイをさすほどに初夏を彩る代表的な花。樹勢が強く、いずれの地でも植栽が可能で、作りやすい。
■種 類
ガクアジサイ、アジサイ、クマアジサイ、アマチヤ、セイヨウアジサイ(ハイドランジア)などがある。いずれの
品種も庭、鉢植えに適する。
新しい品種では花弁(正しくは萼)の緑に覆輪状に斑の入るピコティー咲きのフラウ系アジサイが見られる。カシワ
バアジサイも数種導入されている。
■栽培のポイント
植えつけは、日当たり、排水のよい、腐植質に富む肥沃な所で、冬の冷たい風を防ぐ場所を理想とする。
●苗木の選び方
花の咲いている鉢仕立て苗か、畑で花の咲いている株を選ぶとよい。花色は植える場所によって多
少異なる(酸性の土でブルーが強く、アルカリ性の土で赤みが強く出る)。
●植えつけ場所
大きな木の根元や他樹を寄せて植えるのは好まない。池や流れの、ふちなど湿度の高い所がよい。
●植えつけ時期
植えつけは9〜lO月と、3〜4月であるが、関東以北は春植えが適する。
●植えつけ方
細根が多いので、根鉢を大きめに掘ったものはそのまま植えてよいが、9〜10月の植えつけは枝を半
分くらいに切り詰めて植える。
●植えつけ後の管理
根元をあまり乾かさないよう、ピートモスや腐葉土、稲わらなどを敷くと、非常に効果がある。
音色花にはミョウバンを土に混ぜ、桃色花には苦土石灰を混ぜてやるとよい色が出る。
●施肥
油かすと粒状化成肥料を等量混ぜたものを3〜4月に1回、根元に2〜3握り施す。
■花を咲・方せるための剪定法
●花芽のつく時期と咲き方
この仲間は新梢の頂部に花をつける習性がある。
ことし伸びた枝、またはことし花を咲かせた枝の頂部の腋芽が、9月上旬〜lO月上旬に花芽となる。
この花芽も著しい寒さにあうと、枯死する場合がある。
●花を咲かせるための剪定の仕方
・開花初期に切り詰めれば、翌年の開花にはあまり影響はないものの、花が完全に終わってからでは遅すぎる。
・広い場所に単植すると、放任しても樹形がよく整い、樹冠上に美しく花が咲く。樹形が大きくなりすぎたら、花後
に強い切り詰めを行うが、1年、花は休むことになる。
★鉢植えのアジサイを庭に植えたが、花色がにごってきた。
・アジサイの花色は土の酸度で変わるという性質がある。音色種は酸性、赤色種はアルカリ性で鮮やかな花色の花を
咲かせる。
・音色種は土にピートモスを混ぜたうえ、3月上旬に硫酸アルミニウムの1000倍液を2〜3回株元に与えるようにする
とよい。
・赤色種には腐葉土を混ぜ、苫土石灰を1握り株元の土に混ぜておくのがよい。酸度で花色が変わるといっても、
音色種に石灰を与えてアルカリ性にしたからといって赤色になるわけではなく、にごった花色になるだけなので気をつ
けること。
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